「お子さんに奇形が見られます」僕の頭は真っ白に。
緊急帝王切開になったため、控え室で僕と嫁の母が待機となった。
先生は産まれたら連れて行きますと言っていたはずなのに
僕と嫁の母だけしかいない控え室の 内線電話が鳴った。
嫌な予感がしつつも、恐る恐る電話にでる。
「旦那さんだけ赤ちゃん室に来てください。」
僕だけが呼び出された。
部屋に入ると、先生はたんたんと語りだす。
「奥さん、強い薬や病気はありましたか?」
僕にはその時、ちゃんと答える余裕が無かった。
動揺している僕の顔を横目に、先生は変わらぬ口調で話し出した。
「お子さんに奇形があります」
そして、僕の頭は真っ白に。
< 話は生まれる前まで遡ります >
子供に障がいがあったらどうする?
結婚してから子供を授かるまで、僕は嫁と子供に対して意見は対立していた。
- 暫くは夫婦2人でいろいろな所に行って遊びたいという僕。
- 子供はいつできるか分からないから直ぐにでもほしいという嫁。
話はいつも平行線だったがひょんなことで結論が出ることに。
僕は嫁に何気なく問いかけたことがある。
「もし、子供に障がいがあったらどうする?」
嫁はそのことを覚えていなかったが、僕はハッキリと覚えていた。
「障がいがあったとしても、私は受け入れる自信があるよ」
嫁は、考える間もなく答えたのが印象に残っている。
その言葉を受けて、僕は嫁の意見を受け入れることにした。
程なくして、すぐに嫁は子供を授かった。
先に記載した、わが子である。
振り返ってみて
「子供に障がいが見つかったらどうするか」そんな話をする夫婦は多いのかな、少ないのかな。
僕たちはこの話し合いを、軽くではありますがやってよかったかなと思っています。
(嫁は覚えてないけど。)
相手が、命に対してどれだけ真剣に向き合っているのか、考えているのかが見えるからです。
仮に、命を身ごもった後に、その子に障がいがあることを告げられたとして、どうするのかを直ぐに考えるなんて余裕は無いと思います。
答えを引き伸ばせば、それだけリスクも増えるのでどんどん焦っていくと思います。
僕は産むも中絶するも、その家族の自由だと思います。
ただし、しっかりと話し合っていればの話です。
後になって後悔することないように、一度話しておくべきではないでしょうか。