産まれた子供は、障がいを持っていました。

「お子さんに奇形が見られます。」わが子が産まれて、先生から始めて言われた言葉に頭は真っ白になりました。

心臓に3つの穴、それと弁に奇形が見られます。

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母子共に退院して、2ヶ月前に購入したわが家に帰る。

 

3日間くらいか。

娘は大きな病院での検査を控えていることも分からずに

他の赤ちゃんと変わらず、泣き、笑い、一生懸命生きようとしている。

 

ただ、先回のブログにも書いたが、気になることがあった。

 

呼吸数が多いこと。

 

最初は気にしていなかったが、検査の日が近づくにつれ、さらに気になるようになってきた。

 

1分間に100回ほど。

 

通常だと30-40回程度らしい。

しかし、異常として見られる陥没呼吸や呻吟は見られない。

 

ただただ、呼吸数が多かった。

 

 

 

嫁は退院してからも、帝王切開の傷口もあり動くのが辛そうだったので、子供の世話は分担し、買い物等はメモを片手に僕が行っていた。

 

そして来る検査の日。

 

まだ、娘は生後2週間も経っていない中での検査である。

 

娘をチャイルドシートに乗せ、僕と嫁は大きな病院に向う。

 

「初めてのお出かけが、病院だね」

 

なんて冗談を話しながら、僕たちは病院へ向う。

 

心臓受診

 

身体測定とレントゲンを済ませ、大学のお偉い先生のもとへ。

 

ジェルのようなものを娘の身体に塗り、エコーを取り始めた。

 

そして、先生は機器を置くと、心臓の型紙のようなものを出し、僕たちに話しかける。

 

「心臓に3つの穴、それと弁に奇形が見られます」

 

僕たちは、またしても言葉を失った。

  

そして、先ほど出した型紙のようなものを書き始める。

実際のものがこれだ。

 

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説明を受けた実際の型紙

病名は「房室中隔欠損症 」と「僧帽弁閉鎖不全症

 

簡単に説明すると、心臓に穴が開いており、右心室と繋がってしまっている。

そして、血液が流れた後に血流の逆流を防ぐ弁の形状に異常があり、弁が閉まりきらずに血液が逆流してしまう病気。

 

どちらも、後に心臓手術や薬の投与が必要になる可能性がある病気だ。

 

 

僕たちは、手のことをやっと受け入れたはずなのに、追い討ちをかけるように不安がのしかかる。

 

暫く放心状態だった嫁の隣で、僕は先生に語りかける。

 

「それで、娘は大丈夫なのでしょうか?」

 

「今のところ命に別状はありませんが、心臓疾患は肺の血管が大きくなるタイミングが一番危険です。」

 

「場合によっては、人工弁への手術、または薬の投与が必要です。」

 

この世は理不尽だ。

そんなことを思った。

 

なぜこの小さな身体に、そこまでの負担をかける?

 

代われるなら代わってやりたい。

心の底からそう思った。

 

そして、ここからさらに絶望を味わうことに。

次は、ここから検査の為、緊急入院になった話。

 

振り返ってみて

 まぁ辛かった。この言葉に尽きる。

僕の友人もひとり生まれたとき心臓に穴があいていた子がいる。そのお母さんとも小さい頃から仲が良かったので、その話を聞いたことがある。

 

今ではその友人は心臓の穴もふさがり、結婚もし子供もいるので大丈夫なのだが、産まれた当時はそのお母さんは自分を恨んだとも言っていた。

 

なぜ健康な身体で産んでやれなかったのか。そんなことをずっと考えていたらしい。

 

そしてわが子に話しは戻るが、それだけの大きいことが3つも。そして弁の奇形ときた。

 

心臓の穴については、ぶっちゃけ穴が塞がる可能性があったので、すがり所はあったのだが、問題は弁の方。

産まれ持つ“形状”に関しては、手と同じでどうしようもない。死ぬまで付いてまわるものである。

 

もし、人工弁を入れるとなると、定期的な心臓手術で身体の大きさに合わせて入れ替える必要がある。

その都度、胸を開き、傷を残し、薬を飲み続けなければいけないということを考えると、胸が苦しくなった。

 

 ※もし、このブログを読んでいる方で、人工弁を入れている方やこれからその予定がある方にとっては、大変失礼な内容です。お気を悪くされておりましたら、申し訳ございません。子を案ずる親の気持ちとしてご理解いただけると恐縮です。