産まれた子供は、障がいを持っていました。

「お子さんに奇形が見られます。」わが子が産まれて、先生から始めて言われた言葉に頭は真っ白になりました。

娘だって、普通の赤ちゃんです。

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僕は丁度、GWだったので病室の少し固いソファで寝泊りしていた。

そして、嫁はまだ絶対安静のため横目で赤ちゃんを見るしかできていなかった。

 

今か今かと待ち望み、餌を待つ雛のように赤ちゃんを手に抱ける瞬間を待っていた。

 

そして、ようやく嫁の絶対安静が解除されて、固定具を外した。

 つまり、嫁が始めて赤ちゃんを抱けるようになったという事。

 

娘は生まれたときよりも少し顔は引き締まり、ほんの少しだけですが女の子らしくなっていた。

 

そして、ようやく娘は母の腕の中に。

 

嫁は嬉しそうにしばらく赤ちゃんを抱いていた。

 

「顔は泣いたらガッツ、寝たらひふみんだね」

 

と冗談交じりで言ったら、本気で怒られた。

 

ここからは、普通のプレパパとプレママ。

泣く子にあたふた。吐いちゃって大慌て。

白目むいてびっくり。息をしてるか確認してみたり。

 

ほんとに普通の子育てに奮闘していた。

そしてあっという間に退院の日。

 

退院の日、先生が畏まって話しがあると僕たちの病室へ入ってきた。

 

そして赤ちゃんを診察しておもむろに口を開いた。

 

「お子さんの心臓音に雑音が混じってます。」

 

「え・・・」

「え・・・」

 

 

 

 

僕と嫁は一瞬何を言われたのかを理解できていなかった。

子供の身体のことを受け入れ、立ち向かっていこうと決意した矢先の話だったので、不意に入ってきた言葉に対応できていなかった。

 

「紹介状を書きます」

 

先生はそう言って、病室を出た。

僕たちは暫く無言だった。

 

僕は「赤ちゃん 心雑音」でインターネット検索する。

 

そうすると、ヒットしてきた内容が下記だ。

「30~70%の赤ちゃんに心雑音はある」

 

正直ホッとした。

 

「神様はそこまで残酷じゃないよ。きっと大丈夫!」

 

僕はそう嫁に言って、気にすることを辞めた。

 

そして、嫁が手作りしたおくるみを赤ちゃんに着せ、僕たち家族は病院を後にした。

 

あの時は幸せだった。

翌週、緊急入院になるとも知らずに。

 

次の記事は、家に帰って一家みずいらずで過ごすも、直ぐに病院に入院となった娘の話。

 

振り返ってみて

赤ちゃんを抱いた嫁の顔は本当に嬉しそうでした。

そして、帝王切開だったためか移動は常につらそうでした;

 

子育てのほんの一部を切り取ったに過ぎないが、病院内であっても子育てはとても大変でしたね。

寝ることもままならないし、ミルクもちゃんと飲めないし。

何かある事にクタクタになった僕たちは、助産師さんたちに赤ちゃんをみてもらえる時は毎回ホッとしていたのを記憶しています。

 

仕事で、子供を持つ後輩・部下がいるのだが、子供が生まれてからは子育てと育児を両立している姿に本当に尊敬した。

そして、仕事では上司・先輩だが、子育てにおいては僕が後輩。

先輩たちに子育てについていろいろ聞きながらパパトークを繰り広げている。

 

心臓の雑音については先生から言われてかなり動揺していたが、ネット検索を見てからは最初はあまり気にしていなかった。

紹介状で、大きな病院で確認するのも「念のため」程度で、どうせ病院の先生は最悪のケースを伝えるだけだろう、なんて考えていた。

しかし、一つ気になることといえば、ネットに「呼吸数」だった。

「心臓に疾患がある場合は呼吸が速くなる。」

言われてみれば早い気がしていた。

 

とにもかにくにも、僕たちはそんなことを考える暇もなく、子育てに夢中だった。