左腕の無い、わが子を見た嫁の反応。
助産師さんにお願いして、わが子を僕たちの元へ。
目を真っ赤にした両親の部屋に、眠っているわが子が運ばれてくる。
初めて家族3人で対面する瞬間である。
助産師さんに添い寝させてもらった嫁は
絵に描いたような幸せいっぱいの顔だった。
もちろん手のことも、全て把握した状態で
「かわいい」
と言った。
正直、とても安心した。
そして、同時に自分が恥ずかしくなった。
将来のことばかり考え、悲観し、今生きている我が子をまっすぐ見てやれてなかった自分。
娘の誕生を素直に喜べななかった自分。
嫁の嬉しそうな顔を見て、僕は色々なことを考えた。
大丈夫。嫁と一緒なら、この子を育てていける。
その後、僕は初めてわが子に言う事が出来た。
「生まれてきてくれてありがとう。」
そして、僕は初めてわが子を抱いた。
次回は、産まれた子を両親や友人、会社の人に報告する話。
子供の身体のことを伝えるという難しさ。反応の怖さ。
振り返ってみて
この時のことも鮮明に覚えている。
嫁が子を見てショックを受けたらどうしよう。自分だけはしっかりしなければ。
そんなことをずっと考えていた。
いつも、一歩引いたところで僕についてくるような嫁だったので、今回の現実を付き付けられた嫁の反応には正直驚いた。
ぶっちゃけた話、嫁は話しを聞いて泣き崩れると思っていた。
でも実際は、僕が泣き崩れてしまった・・・。
嫁は、子供の身体のことをすぐさま受け入れ、喜んでいた。
あの顔に強がっているとかそういう気持ちは無かったと思う。
純粋に“幸せ”という気持ちで溢れていたと思う。